家庭備蓄の啓発コンテンツ

防災袋のつくり方

いちばん大事なスペックは、中身の多さではなく「背負って走れる軽さ」です。

先に、3つの原則から

防災袋づくりでいちばん多い失敗は、「あれもこれも」と詰め込んで、 持ち上げられないほど重い袋を作ってしまうことです。 中身の話に入る前に、原則を3つだけ押さえてください。

① 早歩きで逃げられる軽さ

荷物は「早歩きで避難できる重さ」まで。津波が想定される沿岸部では「全力で走れる重さ」が基準です。 詰めたら一度背負って歩いてみて、重すぎたら減らします。

② 両手が空くリュック型

手提げやショルダーではなく、必ずリュックサックに。 転んだとき手をつけるか、子どもの手を引けるかが、暗闇の避難では生死に関わります。

③ 定位置は寝床のそば

置き場所は押し入れではなく、寝床から手が届く範囲。 防災袋・靴・上着・懐中電灯・バールをワンセットで枕元に。 人生の3分の1は寝ている時間です。

そして鉄則をひとつ。防災袋を忘れても、絶対に取りに戻らない。 袋は「持てたら持つ」もので、あなたの生命より大事な中身はひとつも入っていません。

中身は「た・ち・み・で・ほっと・とくべつ」で考える

中身は品名の丸暗記ではなく、分類で覚えるのが確実です。 監修の大槻教授が防災教育で使っている覚え方(防災袋100%計画・2026年8月版)がこの6分類。 これで防災袋の中身が全部そろいます。

た

たべもの

調理のいらないものだけ。チョコ・あめ・ようかんなど手軽で高カロリーなお菓子と、ゼリー飲料。

ち

ちりょう薬

慢性病の薬1週間分と処方箋のコピー、応急処置セット、マスク・ウェットティッシュ。代えのきかないものが最優先。

み

みづ(水)

500mlペットボトル数本+イオン飲料の粉末。重いので「背負える範囲」が上限。レジ袋・ゴミ袋は水入れにも化けます。

で

でんき

懐中電灯、ポケットラジオ、携帯電話の充電器(乾電池式)。乾電池の予備は多めに。

ほっと

防寒・防暑

アルミ毛布・カイロ・雨具に加えて、帽子・うちわ・日傘・日焼け止めも。中身は夏冬で入れ替えます。体温を守るものは季節の主役級です。

と

とくべつ

あなたと家族に特に必要なもの。老眼鏡・入れ歯・オムツ・喘息の吸引器・化粧品、そして家族の写真や好きなマンガ——心を支えるものも立派な備えです。

防災袋の完全チェックリスト

チェックはこのブラウザに保存されます。100円ショップや特売日を活用して、少しずつ埋めていきましょう。

た:たべもの

ち:ちりょう薬・衛生

み:みづ(水)

で:でんき

ほっと:防寒・防暑(夏冬で入れ替える)

と:とくべつ(あなたと家族に特に必要なもの)

ここが「わが家に合わせた備え」の本体です。老眼鏡・入れ歯セット・杖・オムツとお尻ふき・抱っこひも・喘息の吸引器・化粧品、 そして家族の写真や好きなマンガのような「心を支えるもの」も。 発災からの1週間を想像して、あなたの家だけの必需品を書き足してください。

重さに余裕があれば足すもの

仕上げの確認

袋に入れて枕元に置かれた子ども用の運動靴
袋・靴・上着・明かりをワンセットで枕元に。「一緒に逃げる小さな袋」と「後で取りに戻る大きな袋」に分ける方法もあります

60点でいいので、今日つくり始める

全部そろえてから始めようとすると、いつまでも始まりません。 今日、家にあるリュックに、家にあるものを詰める——それで60点の防災袋は完成です。 足りないものは、買い物のついでに100円ショップで少しずつ。

なお、このページの袋は「逃げるときの1〜2日分」です。 その後の生活を支える1週間分の食料は、家に置く備え(ローリングストック)で持ちます。 分量の目安は備蓄のきほんを、 食料選びの手間を省きたい方は非常食26種セットをご活用ください。

本ページの内容は、高知大学 防災推進センター 大槻知史教授の防災教育教材をもとに構成しています。